☆この曲は作曲家・須釜俊一さんのの『ひとり〜ショートバージョン』という曲です。 |
設計業務 C −設計監理−前回述べさせていただいた設計業務のなかの、今回は設計監理について少し触れたいと思う。設計事務所は設計だけするんだと思っている方も多いとは思うけど、この監理業務はとても大切な仕事なのだ。この仕事は主に住宅の着工から竣工にいたるまで、その住宅が図面通りに建てられているかということを監理していくもの。家って図面通りに建てられているんじゃあないのって、不思議に思われる方もいらっしゃるだろうけど、実はそうでもないらしい。事実欠陥住宅は多く世にはびこっている。そんな住宅を造らないためにも、工事を監理することは必要なのです。そしてもうひとつ監理業務の中に大事な仕事がある。それは施工会社から提出された見積書をチェックし、検討する仕事だ。実施設計が完了すると、施工会社を決定しなければならない。村松事務所では、お客さんが納得して選択してもらえるように数社に見積もりを依頼する。いわゆる合見積りだ。(特にお客さんから指定がある場合は別です。)その時に、会社によっても見積り書の計算方法が異なっていると少し厄介になる。担当者がしっかりしている会社は、丁寧に計算して金額を出してくるからいいけど、結構大雑把な会社もある。そうなると後から多くの追加金額が発生してしまう。だから村松事務所では、正確に見積書を比較するため、各工事にどのくらいの費用が必要なのかを細かく計算してもらうようにお願いしている。その際材料などの原価を明示してもらい、会社としての利益は別に定率の経費という形で計算してもらう。 見積りって不思議。同じ物件なのに提出された見積書の金額に差が生じている。材料の仕入先、会社の規模等によって見積もりの金額は違ってくる。規模の大きな会社は年間に着工する住宅の数が多いので仕入れる材料の数量が多くなる。それゆえ仕入れ価格が優遇され、単価が下がったりする。反対に個人の大工さんなんかは年間でそんなに多くの住宅を手がけることは出来ないので、仕入れる材料に対して価格的な優遇をそんなに期待できない。それならば工務店のほうが建築費が安いんだと考えるのは早計というもの。工務店は多くの従業員を抱えているのでどうしても利益率を高くしなければならない。反対に個人規模になると利益率が低く抑えることが出来る。また、地域によって見積り額に差がある。地域の物価水準に差があるように、大工さんの賃金いわゆる大工手間の金額も異なってくる。その地域差は同じ県内でも生じている。 見積書の検討はとても大変なのです。工事内容は適切だろうか。建築に必要な材料の数量に間違いはないか、価格は適正価格で見積ってあるか、こちらが指定した材料を揃えているか等を確認していく。見積りの数量や価格に間違いがあったり、基本プランの時に作成した概算見積書よりすごくオーバーしていたりすると、プランを変更して再見積りをお願いしなければならない。そして再度検討することになる。すっごく面倒くさい。だから時間もかかるのだ。こうして出揃った見積書を考慮し、施工会社を決定するわけだけど、見積り金額だけで選ぶことはお薦めしない。きちんとした仕事をしてくれる会社かどうか。大工さんの腕は大丈夫なのか、住宅が完成した後のフォローはきちんとしてくれるか等を考えて決定したほうがいいと思う。 |
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