ならまち、格子の家
昨年、紅葉を求めて京都ではなく、奈良に行ってみた。NHKの朝のドラマの影響もあって、明日香村もいいなと思ったからだ。久しぶりの奈良の町、まずは、ならまちを散策することにした。町なかには観光客用にいろんな掲示板があった。なかに、『ならまち、格子の家』というのがあったので、どんなものだろうと行ってみた。予想と違いずいぶん新しい。ならまちの振興のために伝統的な家を再現し建てられたということである
。
のれんを、くぐると吹き抜けになっていて、太い梁がむき出しになっていた。土間は、奥まで続いている。まずは、店の間に上がった。格子越しに外の景色がはっきり見える。外からは内側は見えなかったのに、なんだか不思議な気持ちにな
った。
中の間、奥の間に続いて中庭が広がっている。庭の木が色づいてとても奇麗だ。中庭からは、光が射し込み、風が流れていく。きっと雨の日には、雨の音に聞き耳をたてたことだろう。そうやって季節の移ろいを感じていたなんて、うらやましい。
庭の横の渡り廊下を通って離れにいくとプライベートの空間を確保することができる。狭く長い土地を効率よくそして贅沢に使っていると思った。当時の家主の住居に対する意識の高さを感じた。
現代も、日本には狭い土地が多い。というか、経済的事情もあって狭くなってしまうと言った方がいいかもしれない。先人達の知恵がうまく生かされていったらいいなと思う。